現地まで出向いて方角チェック


現地まで出向いて方角チェックブログ:140416


7年前にお母さんが、続いて3年前にお兄さんが亡くなった。

それまで自由気ままに
結婚もせず、遊びまわっていたオレも、
さすがに一人実家に残った病を抱えたお父さんを思い、
約20年ぶりに実家に帰った。

お母さんが健在の頃から、
お酒を浴びるように飲むお兄さんと親の仲は、
しっくりいかなかった。

そしてお母さんがクモ膜化出血で倒れ、
約2ヶ月の闘病の末亡くなった後は、
お父さんとお兄さんの関係は修復しがたい程にこじれていった。

お母さんの死を自分のせいだと自らを責め続けるお兄さんには、
お酒以外に逃げ場が無かったのかもしれない。

酔っては暴言を吐き暴れるお兄さんを、
お父さんは悲しい目で見ていた。

そんな生活が災いして、お兄さんも亡くなった。
お父さんは「悲しいけれど、正直ホッとした」とオレに言った。

オレは、実家に戻りしばらくたってから、
お母さんが亡くなって以来そのままになっていた、
家の中の片付けを始めた。

そんなある日見付けた手紙の束の中に、
お父さんからお母さんにあてた手紙があり、
オレはお父さんに内緒でそっと開いてみた。

それはオレが生まれて間もなく、
お父さんが出稼ぎ先から出したものだった。

内容は
「たまにしか会わないので、
お子さんたちが自分の顔を見て泣きだしたのがショックだった」とか
「早く一緒に暮らしたい」とかたいした内容では無いのだけれど、
家族に対する愛情が溢れていた。

オレは涙が止まらなかった。
お兄さんが生きている間に、ひと目見せてやりたかったという気持ちで、
胸が一杯になった。

仏壇の隅にお父さんの目にふれぬようにそっと手紙を置き、
心の中で
「兄ちゃん、オレたちはこんなにも愛されて育ちましたよ」
とそっと呟いた。

そして、お父さんも昨年亡くなり、
オレは本当に一人きりになってしまった。

でもオレの前には、3人の写真が有り、
今も3人からの愛情を感じている。





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